上に立つ権威

「すべての人は、上に立つ権威に従うべきである。なぜなら、神によらない権威はなく、おおよそ存在している権威は、すべて神によって立てられたものだからである。」(ローマ人への手紙‬ ‭13‬:‭1‬)

上に立つ権威との向き合い方は、反抗したり、不平不満を述べるのではなく、主を信頼しつつ従うことである。

上に立つ権威とは、いわば統治者である。一般的に言えばリーダーとか指導者と言われる人たちである。

民主主義社会の統治システムには三権分立のようなチェックアンドバランスと言われる権力を持つ機関への監視的機能があるが、専制政治を行う国家の中でさえも、「すべての人は、上に立つ権威に従うべきである。」とローマ帝国の絶大な支配下に置かれたローマの教会にパウロが手紙を宛てた。

それは、「神によらない権威はなく、おおよそ存在している権威は、すべて神によって立てられたものだからである。」という理由があるからだ。どんなに独裁的な先制主義の国家でも、私たちの目には見えない神が介入しておられる。独裁的指導者でさえ神の許し無しには何一つすることができない。

では、権威に逆らうことはどういうことなのか？パウロは述べた。「したがって、権威に逆らう者は、神の定めにそむく者である。そむく者は、自分の身にさばきを招くことになる。」間違いを指摘したり、助言したりする中でさえも「逆らう」態度は、神に対する背きとなる。

支配者に対して恐怖を感じる理由はいくつかある。暴君から理不尽な扱いを受けるかもしれないと恐ろしく感じる。パウロが指摘したのは、私たちの内に何かしらの悪事、非となる部分があるなら、私たちは支配者を恐れるという。

「いったい、支配者たちは、善事をする者には恐怖でなく、悪事をする者にこそ恐怖である。あなたは権威を恐れないことを願うのか。それでは、善事をするがよい。そうすれば、彼からほめられるであろう。 彼は、あなたに益を与えるための神の僕なのである。しかし、もしあなたが悪事をすれば、恐れなければならない。彼はいたずらに剣を帯びているのではない。彼は神の僕であって、悪事を行う者に対しては、怒りをもって報いるからである。 だから、ただ怒りをのがれるためだけではなく、良心のためにも従うべきである。」(ローマ人への手紙‬ ‭13‬:‭1‬-‭5‬)

私たちが支配者、上に立つ権威に従うべき理由は、神の僕である彼らの前に、私たちが善事をおこなうため、また私たちの良心のためである。

権威に従うためには、大きな信仰が必要とされる。

愛する天のお父様、あなたが私たちの上に立てられた権威は、私たちが善事を行うためのあなたの僕です。私たちの良心のために従い、あなたの御心がなされるように委ね、また祈ることができますように。主イエスキリストの御名によって、アーメン。