あなたが約束されたように

「どうぞ、あなたが約束されたように、いま主の大いなる力を現してください。」(‭‭民数記‬ ‭14‬:‭17‬)

モーセは主に、主がかつてモーセとイスラエルの民に約束されたように、主の大いなる力を現してくださいと祈った。モーセは主の約束を覚えていた。

事の発端は、民が約束の地に入る前に、偵察隊が言いふらした悪いうわさを、民が信じてしまったことにある。

「会衆はみな声をあげて叫び、民はその夜、泣き明かした。 またイスラエルの人々はみなモーセとアロンにむかってつぶやき、全会衆は彼らに言った、「ああ、わたしたちはエジプトの国で死んでいたらよかったのに。この荒野で死んでいたらよかったのに。 なにゆえ、主はわたしたちをこの地に連れてきて、つるぎに倒れさせ、またわたしたちの妻子をえじきとされるのであろうか。エジプトに帰る方が、むしろ良いではないか」。」(民数記‬ ‭14‬:‭1‬-‭3‬)

このとき、イスラエルの民は互いに言った、「わたしたちはひとりのかしらを立てて、エジプトに帰ろう」。(民数記‬ ‭14‬:‭4‬)

このとき、その地を探った者のうちのヌンの子ヨシュアとエフンネの子カレブは、その衣服を裂き、 イスラエルの人々の全会衆に言った、「わたしたちが行き巡って探った地は非常に良い地です。 」否定的な考えに囚われ、不信に陥っていたイスラエルの民に対して、主の約束に固く立っていたヨシュアとカレブは、非常に良い地だと言った。

ところが会衆はみな石で彼らを撃ち殺そうとした。 イスラエルの民は極端な考え方に支配されてしまっていた。

そのとき、主の栄光が、会見の幕屋からイスラエルのすべての人に現れた。 主はモーセに言われた、「この民はいつまでわたしを侮るのか。わたしがもろもろのしるしを彼らのうちに行ったのに、彼らはいつまでわたしを信じないのか。 わたしは疫病をもって彼らを撃ち滅ぼし、あなたを彼らよりも大いなる強い国民としよう」。(‭‭民数記‬ ‭14‬:‭6‬-‭7‬, ‭10‬-‭12‬)

ここでモーセが冒頭の祈りを捧げた。「エジプトびとは、あなたが力をもって、この民を彼らのうちから導き出されたことを聞いて、 この地の住民に告げるでしょう。彼らは、主なるあなたが、この民のうちにおられ、主なるあなたが、まのあたり現れ、あなたの雲が、彼らの上にとどまり、昼は雲の柱のうちに、夜は火の柱のうちにあって、彼らの前に行かれるのを聞いたのです。 いま、もし、あなたがこの民をひとり残らず殺されるならば、あなたのことを聞いた国民は語って、 『主は与えると誓った地に、この民を導き入れることができなかったため、彼らを荒野で殺したのだ』と言うでしょう。 どうぞ、あなたが約束されたように、いま主の大いなる力を現してください。 あなたはかつて、『主は怒ることおそく、いつくしみに富み、罪ととがをゆるす者、しかし、罰すべき者は、決してゆるさず、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼす者である』と言われました。 どうぞ、あなたの大いなるいつくしみによって、エジプトからこのかた、今にいたるまで、この民をゆるされたように、この民の罪をおゆるしください」。 

主は言われた、「わたしはあなたの言葉のとおりにゆるそう。 しかし、わたしは生きている。また主の栄光が、全世界に満ちている。 わたしの栄光と、わたしがエジプトと荒野で行ったしるしを見ながら、このように十度もわたしを試みて、わたしの声に聞きしたがわなかった人々はひとりも、 わたしがかつて彼らの先祖たちに与えると誓った地を見ないであろう。またわたしを侮った人々も、それを見ないであろう。 ただし、わたしのしもべカレブは違った心をもっていて、わたしに完全に従ったので、わたしは彼が行ってきた地に彼を導き入れるであろう。彼の子孫はそれを所有するにいたるであろう。 谷にはアマレクびととカナンびとが住んでいるから、あなたがたは、あす、身をめぐらして紅海の道を荒野へ進みなさい」。(民数記‬ ‭14‬:‭13‬-‭25‬)

私たちの主は憐れみ深いお方である。私たちの罪ととがを赦してくださる。しかし主は正しいお方であり、祝福の約束を与えられたが、これは主の計り知れない恵みであることを忘れないようにしたい。

愛する天のお父様、あなたの御名をほめたたえます。あなたの約束を信じ、またあなたを信頼し従う者としてください。主イエスキリストの御名によって、アーメン。