神の国はあなたがたのただ中にある

「神の国はいつ来るのかと、パリサイ人が尋ねたので、イエスは答えて言われた、「神の国は、見られるかたちで来るものではない。 また『見よ、ここにある』『あそこにある』などとも言えない。神の国は、実にあなたがたのただ中にあるのだ」。」(ルカによる福音書‬ ‭17:20-21‬)

神の国という概念について、パリサイ人は誤解していた。いつ来るのかと質問するくらいだから、おそらく地上にある王国を想像していたのだろう。かつてイスラエルには、ダビデ王によるが強靭な軍事力を持つ国家があり、ソロモンが当時の中東地域で絶大な権力を発揮して時代もあり、そんな王国を想起していたのかもしれない。

実際、当時のイスラエルはローマ帝国が支配していた。ユダヤ人の宗教家たちにとっては、異邦人が自分の土地で政治的に支配していることが屈辱的だったに違いない。パリサイ人を含め、多くの民は、政治的解放を望み、神の民のための神の国が建設されることを期待していたのであろう。

しかし、イエスは神の国は見られる形で来るものではないと言われた。神の国とは、実に私たちのただ中にあると言われたのである。

神の国とは権力や権勢にあるのではなく、私たちの心の中に起こされる神の働きである。貧しい人、病んでいる人、社会から爪弾きにされている人のところに主が来られ、彼らは主を受け入れ、主を信じて救われ、生きる希望を見出した。神を受け入れることこそが神の国であり、社会の底辺や片隅に広がっていった。

私たちが神を信じ、受け入れるなら、神の国は実に私たちのただ中にある。

愛する天のお父様、私の人生の中にあなたの国が広がり、悪しき敵ではなく、あなたの支配下に置かれる時、私の人生は希望と喜びに満ち溢れます。感謝します。主イエスキリストの御名によって、アーメン。