主に油注がれた者たち

「イスラエルの娘たちよ、サウルのために泣け。 彼は緋色の着物をもって、 はなやかにあなたがたを装い、 あなたがたの着物に金の飾りをつけた。」(サムエル記下 1:24)

サウルが死んだ後、ダビデはアマレクびとを撃って帰り、ふつかの間チクラグにとどまっていたが、 三日目となって、ひとりの人が、その着物を裂き、頭に土をかぶって、サウルの陣営からきた。そしてダビデのもとにきて、地に伏して拝した。 

ダビデは彼に言った、「あなたはどこからきたのか」。彼はダビデに言った、「わたしはイスラエルの陣営から、のがれてきたのです」。 ダビデは彼に言った、「様子はどうであったか話しなさい」。

彼は答えた、「民は戦いから逃げ、民の多くは倒れて死に、サウルとその子ヨナタンもまた死にました」。 ダビデは自分と話している若者に言った、「あなたはサウルとその子ヨナタンが死んだのを、どうして知ったのか」。 彼に話している若者は言った、「わたしは、はからずも、ギルボア山にいましたが、サウルはそのやりによりかかっており、戦車と騎兵とが彼に攻め寄ろうとしていました。 その時、彼はうしろを振り向いてわたしを見、わたしを呼びましたので、『ここにいます』とわたしは答えました。 彼は『おまえはだれか』と言いましたので、『アマレクびとです』と答えました。 彼はまたわたしに言いました、『そばにきて殺してください。わたしは苦しみに耐えない。まだ命があるからです』。 そこで、わたしはそのそばにいって彼を殺しました。彼がすでに倒れて、生きることのできないのを知ったからです。そしてわたしは彼の頭にあった冠と、腕につけていた腕輪とを取って、それをわが主のもとに携えてきたのです」。 

そのときダビデは自分の着物をつかんでそれを裂き、彼と共にいた人々も皆同じようにした。 ダビデは自分と話していた若者に言った、「あなたはどこの人ですか」。彼は言った、「アマレクびとで、寄留の他国人の子です」。 ダビデはまた彼に言った、「どうしてあなたは手を伸べて主の油を注がれた者を殺すことを恐れなかったのですか」。 ダビデはひとりの若者を呼び、「近寄って彼を撃て」と言った。そこで彼を撃ったので死んだ。」(サムエル記下 1:1-11, 13-15)

そしてダビデは悲しみの歌を歌った。「イスラエルの娘たちよ、サウルのために泣け。 彼は緋色の着物をもって、 はなやかにあなたがたを装い、 あなたがたの着物に金の飾りをつけた。」(サムエル記下 1:24)

サウルは主に油注がれた者であったが、主に聞き従わなかったサウルは主に退けられた。サウルは敵に撃たれ、中にいたアマレク人の手によって自らの命を絶たれた。

ダビデはサウルを主に油注がれた者としての尊厳を最後まで守り、簡単に命を殺めたアマレク人の若者を撃ったのである。

私たちは神が愛する人々の尊厳を守らなければならない。私たちは人々を貶めるようなことをせず、最大限の尊厳をもって接したい。

愛する天のお父様、あなたは人々を愛しておられ、一人一人には尊厳があります。人々の命と人生を大切にして生きることができますように。主イエスキリストの御名によって、アーメン。