神が清めたものは清い!
「すると、声が二度目にかかってきた、「神がきよめたものを、清くないなどと言ってはならない」。」(使徒行伝 10:15)
地中海沿岸にヘロデ大王が作った町カイザリヤにはコルネリオというイタリヤ隊百卒長がいた。彼は信心深く、家族一同と共に神を敬い、民に数々の施しをなし、絶えず神に祈りをしていた。
ある日の午後三時ごろ、神の使が彼のところにきて、「コルネリオよ」と呼ぶのを、幻ではっきり見た。 彼は御使を見つめていたが、恐ろしくなって、「主よ、なんでございますか」と言った。すると御使が言った、「あなたの祈や施しは神のみ前にとどいて、おぼえられている。 ついては今、ヨッパに人をやって、ペテロと呼ばれるシモンという人を招きなさい。 この人は、海べに家をもつ皮なめしシモンという者の客となっている」。
このお告げをした御使が立ち去ったのち、コルネリオは、僕ふたりと、部下の中で信心深い兵卒ひとりとを呼び、 いっさいの事を説明して聞かせ、ヨッパへ送り出した。」(使徒行伝 10:1-8)
「翌日、この三人が旅をつづけて町の近くにきたころ、ペテロは祈をするため屋上にのぼった。時は昼の十二時ごろであった。 彼は空腹をおぼえて、何か食べたいと思った。そして、人々が食事の用意をしている間に、夢心地になった。 すると、天が開け、大きな布のような入れ物が、四すみをつるされて、地上に降りて来るのを見た。 その中には、地上の四つ足や這うもの、また空の鳥など、各種の生きものがはいっていた。 そして声が彼に聞えてきた、「ペテロよ。立って、それらをほふって食べなさい」。
ペテロは言った、「主よ、それはできません。わたしは今までに、清くないもの、汚れたものは、何一つ食べたことがありません」。 すると、声が二度目にかかってきた、「神がきよめたものを、清くないなどと言ってはならない」。 こんなことが三度もあってから、その入れ物はすぐ天に引き上げられた。」(使徒行伝 10:9-16)
ユダヤ人の食事規定で汚れた物、清くない物にペテロも含めたユダヤ人たちは近づくことも、触れることも、食べることもしなかった。だからペテロは汚れた物は何一つ食べたことがないと言って食べようとしなかったのである。
主が屠って食べなさいと言われたのは、食事のことではなく、異邦人のことであった。イタリア隊の百卒長(百人隊長)は異邦人であり、神はユダヤ人や異邦人に関係なく、神を信じる者を救うと定められていることを伝えようとしていた。
たとえかつて神がモーセに命じて律法で禁じたものであっても、律法を成就したイエスキリストの救いは、人種や宗教に関係なく信じる者たちに与えられるのだから、接触し、彼らの救いのために祈り導き、共に礼拝する者たちとするようにと言われたのである。
たとえ律法で禁じていても、神が清めたものは清いのである。
私たちはキリストを信じる信仰によって罪から清められた。このことを喜びたい。
愛する天のお父様、あなたの罪の赦しと清めを感謝します。主イエスキリストの御名によって、アーメン。