自分の地位を脅かす存在
「しかし、アケラオがその父ヘロデに代ってユダヤを治めていると聞いたので、そこへ行くことを恐れた。そして夢でみ告げを受けたので、ガリラヤの地方に退き、 ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちによって、「彼はナザレ人と呼ばれるであろう」と言われたことが、成就するためである。」(マタイによる福音書 2:22-23)
イエスがヘロデ王の代に、ユダヤのベツレヘムでお生れになったとき、見よ、東からきた博士たちがエルサレムに着いて言った、 「ユダヤ人の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。
ヘロデ王はこのことを聞いて不安を感じた。エルサレムの人々もみな、同様であった。 そこで王は祭司長たちと民の律法学者たちとを全部集めて、キリストはどこに生れるのかと、彼らに問いただした。 彼らは王に言った、「それはユダヤのベツレヘムです。 」
預言者がこうしるしています、 彼らが帰って行ったのち、見よ、主の使が夢でヨセフに現れて言った、「立って、幼な子とその母を連れて、エジプトに逃げなさい。そして、あなたに知らせるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが幼な子を捜し出して、殺そうとしている」。 そこで、ヨセフは立って、夜の間に幼な子とその母とを連れてエジプトへ行き、 ヘロデが死ぬまでそこにとどまっていた。それは、主が預言者によって「エジプトからわが子を呼び出した」と言われたことが、成就するためである。
さて、ヘロデは博士たちにだまされたと知って、非常に立腹した。そして人々をつかわし、博士たちから確かめた時に基いて、ベツレヘムとその附近の地方とにいる二歳以下の男の子を、ことごとく殺した。 こうして、預言者エレミヤによって言われたことが、成就したのである。 「叫び泣く大いなる悲しみの声が ラマで聞えた。 ラケルはその子らのためになげいた。 子らがもはやいないので、 慰められることさえ願わなかった」。
さて、ヘロデが死んだのち、見よ、主の使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて言った、 「立って、幼な子とその母を連れて、イスラエルの地に行け。幼な子の命をねらっていた人々は、死んでしまった」。 そこでヨセフは立って、幼な子とその母とを連れて、イスラエルの地に帰った。 しかし、アケラオがその父ヘロデに代ってユダヤを治めていると聞いたので、そこへ行くことを恐れた。そして夢でみ告げを受けたので、ガリラヤの地方に退き、 ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちによって、「彼はナザレ人と呼ばれるであろう」と言われたことが、成就するためである。」(マタイによる福音書 2:1-5, 13-23)
ヘロデ王はユダヤを治める王朝で実権を握る為政者だった。しかし「ユダヤ人の王」が誕生したと聞いて不安に感じた。この幼児の誕生が自分の地位を脅かす存在に思えたからだ。
しかしイエスは政治的軍事的な関わりをもって王になろうとしたわけではなかった。イエスは神の御子であり、主の主、王の王である。永遠の王であり、天地を統べ治める神の御子であるから、ヘロデの地位を奪うようなことは考えていない。
ヘロデの不安感がベツレヘムの幼児大虐殺を引き起こし、自国の民を破滅させるような行為に駆り立てた。
この一連の出来事は、神がすべて見通しており、神が幼児イエスの命を守った。しかも過去の預言者たちの言葉にもあったように成就したのである。
私たちの神は私たちを守ってくださる。私たちの未来をご存知であり、私たちのためにあらゆる計画を立ててくださっている。この主に人生を委ねたい。
愛する天のお父様、あなたは私たちに将来と希望の計画をお持ちです。ありがとうございます。あなたに委ねて歩みます。主イエスキリストの御名によって、アーメン。