私たちの王
「この時、イスラエルの長老たちはみな集まってラマにおるサムエルのもとにきて、 言った、「あなたは年老い、あなたの子たちはあなたの道を歩まない。今ほかの国々のように、われわれをさばく王を、われわれのために立ててください」。」(サムエル記上 8:4-5)
サムエルは、年老いたとき、息子たちをイスラエルのさばきつかさとして任命した。長男の名はヨエル、次男の名はアビヤであった。彼らはベエル・シェバでさばきつかさをしていた。しかし、この息子たちは父の道に歩まず、利得を追い求め、賄賂を受け取り、さばきを曲げていた。
イスラエルの長老たちはみな集まり、ラマにいるサムエルのところにやって来て、彼に言った。「ご覧ください。あなたはお年を召し、ご子息たちはあなたの道を歩んでいません。どうか今、ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください。」
当時預言者や士師と呼ばれる人たちがイスラエルの民を導いていたが、リーダーシップも不安定で、政府や軍隊もなかった。そこで民の長老たちが、「私たちをさばく王を私たちに与えてください」と言ったのである。
しかしそのことばはサムエルの目には悪しきことであった。自ら子育てに失敗している身でありながらも、神の定めた方法とは違うことに異を唱えたのである。
それでサムエルは主に祈ると、主はサムエルに言われた。「民があなたに言うことは何であれ、それを聞き入れよ。なぜなら彼らは、あなたを拒んだのではなく、わたしが王として彼らを治めることを拒んだのだから。わたしが彼らをエジプトから連れ上った日から今日に至るまで、彼らのしたことといえば、わたしを捨てて、ほかの神々に仕えることだった。そのように彼らは、あなたにもしているのだ。今、彼らの声を聞き入れよ。ただし、彼らに自分たちを治める王の権利をはっきりと宣言せよ。」(サムエル記 第一 8:1-9)
イスラエルの民は王制をしくことで、受ける犠牲も理解した上で、イスラエル初の王が誕生した。この後のサムエル記や列王記、歴代誌を読めばわかるが、イスラエルの上に立ったリーダーたちは不安定な面を持っていた。
私たちは人間に理想的な指導者像を期待する。しかし、神に勝る指導者はいない。私たちが神を自分の心の王座に招かない限り、不安定な歩みから逃れられない。
主を信頼して歩んで行こう!
愛する天のお父様、あなたが私の王であり、私の主です。あなたに従います。主イエスキリストの御名によって、アーメン。