祈りと励まし

エリは答えた。「安心して行きなさい。イスラエルの神が、あなたの願ったその願いをかなえてくださるように。」彼女は、「はしためが、あなたのご好意を受けられますように」と言った。それから彼女は帰って食事をした。その顔は、もはや以前のようではなかった。
(サムエル記 第一 1:17,18)

ハンナの夫エルカナには、ハンナとペニンナという妻がいた。ペニンナには子どもがいたが、ハンナには子どもがいなかった。この事実はハンナを苦しめた。神のデザインされた結婚は一夫一妻であるが、人間が勝手に始めた一夫多妻の弊害として妻同士の比較が生まれる。

「彼女に敵対するペニンナは、主がハンナの胎を閉じておられたことで、彼女をひどく苛立たせ、その怒りをかき立てた。」(サムエル記 第一 1:5,6)

夫から離れることのできない古代社会では、生き地獄の様相だったに違いない。

ただ、「主は彼女の胎を閉じておられたが、彼がハンナを愛していた…ハンナには特別の受ける分を与えていた。」とある。

さてシロにある主の神殿で、ハンナが主の前で長く祈っている間、祭司エリは彼女の口もとをじっと見ていた。ハンナは心で祈っていたので、唇だけが動いて、声は聞こえなかった。それでエリは彼女が酔っているのだと思った。エリは彼女に言った。「いつまで酔っているのか。酔いをさましなさい。」

ハンナは答えた。「いいえ、祭司様。私は心に悩みのある女です。ぶどう酒も、お酒も飲んではおりません。私は主の前に心を注ぎ出していたのです。このはしためを、よこしまな女と思わないでください。私は募る憂いと苛立ちのために、今まで祈っていたのです。」

エリは答えた。「安心して行きなさい。イスラエルの神が、あなたの願ったその願いをかなえてくださるように。」彼女は、「はしためが、あなたのご好意を受けられますように」と言った。それから彼女は帰って食事をした。その顔は、もはや以前のようではなかった。
(サムエル記 第一 1:12-18)

募る苛立ちの中、ハンナは心で祈った。祭司エリからの励ましの言葉を聞いて、ハンナは安心し、帰って食事をした。ハンナは祈り、また励ましの言葉により、元気になった。

この後、エルカナとハンナの間に男の子が生まれ、サムエルと名付けた。サムエルはイスラエルの偉大な預言者となり、ダビデに油を注いだ。

私たちの人生にも苦しい時がある。そんな時、祈りと励ましの言葉は私たちにとって大きな力となる。主の祝福を見るきっかけとなる。

お互いに祈り合い、励まし合いたい。

愛する天のお父様、あなたに祈ることができることを感謝します。お互いに祈り合い、また励まし合うことができますように。主イエスキリストの御名によって、アーメン。