お金や道徳が永遠の命を与えてくれるわけではない
聖句:”また、ある指導者がイエスに質問した。「良い先生。何をしたら、私は永遠のいのちを受け継ぐことができるでしょうか。」 イエスは彼に言われた。「なぜ、わたしを『良い』と言うのですか。良い方は神おひとりのほか、だれもいません。 戒めはあなたも知っているはずです。『姦淫してはならない。殺してはならない。盗んではならない。偽りの証言をしてはならない。あなたの父と母を敬え。』」 するとその人は言った。「私は少年のころから、それらすべてを守ってきました。」 イエスはこれを聞いて、彼に言われた。「まだ一つ、あなたに欠けていることがあります。あなたが持っている物をすべて売り払い、貧しい人たちに分けてやりなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい。」 彼はこれを聞いて、非常に悲しんだ。大変な金持ちだったからである。 イエスは彼が非常に悲しんだのを見て、こう言われた。「富を持つ者が神の国に入るのは、なんと難しいことでしょう。 金持ちが神の国に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうが易しいのです。」 それを聞いた人々は言った。「それでは、だれが救われることができるでしょう。」 イエスは言われた。「人にはできないことが、神にはできるのです。」 すると、ペテロが言った。「ご覧ください。私たちは自分のものを捨てて、あなたに従って来ました。」 イエスは彼らに言われた。「まことに、あなたがたに言います。だれでも、神の国のために、家、妻、兄弟、両親、子どもを捨てた者は、 必ずこの世で、その何倍も受け、来たるべき世で、永遠のいのちを受けます。」” ルカの福音書 18章18~30節
観察:
指導者がイエス様のもとにやってきて、永遠の命を得るためには何をしたら良いかをイエス様に訊ねています。彼はイエス様を「良い先生」と呼びました。イエス様は、「なぜ、わたしを『良い』と言うのですか。良い方は神おひとりのほか、だれもいません。」 と言われました。イエス様の答えは、この指導者への答えのプロローグです。この指導者はお金持ちでした。おそらく、彼は自分の人生で必要なものは全て手に入れたものの、何かが足りないと思っていたに違いありません。私たちが人生ですべてのものを所有していたとしても、それらが私たちに永遠の命を与えてくれません。私たちは永遠の命には相応しくない存在なのです。どんなに良い行いをしても、また、どんなに財産を持っていたとしても、それらは私たちに永遠の命を保証してくれません。
イエス様は十戒の一部を構成する人間同士の関係に関する箇所を引用し彼に答えます。「姦淫してはならない。殺してはならない。盗んではならない。偽りの証言をしてはならない。あなたの父と母を敬え。」するとその人はすぐにこう返します。「私は少年のころから、それらすべてを守ってきました。」と、すぐに彼は自分の道徳的な生き方をもって自分を正当化しようとしています。自分は子供の頃からその教えに忠実に生きてきたと。
彼はまた、お金に関しての問題もありませんでした。人との関係においても良好な関係を築いてきて、これまで人と問題を起こしたことはありませんでした。また、彼の人生も上手くいっていました。そして、彼はこう結論づけています。自分はいい人間だ。一生懸命働き、周りの人を愛し、彼らに優しく接している。しかし、それらが問題ではなかったのです。どんなにお金を持っていても、また、道徳的にどんなに立派であっても、それだけで永遠の命が手に入るわけではないのです。 イエス様は彼を見て、永遠の命に欠かせない大切なことを彼に教え始めます。「まだ一つ、あなたに欠けていることがあります。あなたが持っている物をすべて売り払い、貧しい人たちに分けてやりなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい。」 彼はこれを聞いて、非常に悲しみました。彼が大変な金持ちだったからです。
お金持ちの指導者は、その財産に自分の心がいっていたことから、これを聞いて悲しくなってしまいます。その富は自分の力で築き上げてきたという自負があったからです。この人は神様と関係を持っていませんでした。金持ちの指導者は、自分を中心にした人との関係性しか持っていなかったからです。 彼の富が彼の神となってしまっていたのです。そして、 彼はその神に従っていました。 宝のあるところに、その人の心もあるのです。何が永遠に続く物なのかをイエス様が指摘してくださっていることに私は喜びを感じます。それこそが、この金持ちの指導者に欠けたものだったのです。自分の力で得た財産や自分の道徳的な生き方に豊かになることより、神様に対して豊かになることの大切さを教えられました。
適用: 私は今日、神様との関係の大切さと、神様に向かって日々豊かになることがどれほど力強いことかを学びました。 今日、聖霊様がこのことを指摘してくださり、私があらゆる富を手にし、道徳的に問題なくても、神様を持たないために永遠の命を逃してしまうことの危険性を思い出させてくださったことに感謝します。 私はこれからも、自分のすることすべての中心に、常に神様を置くよう自分に言い聞かせていきます。
祈り: イエス様、あなたは私の命です。 あなたが私の人生を導いてくださる良き羊飼いであることに感謝します。 あなたは私の羊飼いですから、私はこの世で何一つ欠けるものはありません。 私は毎日あなたを仰ぎ見、いつもあなたのいつくしみに頼ります。 どうかあなたの目的と御心に日々私を導いてください。 私があなたの中でより成長し、私の中であなたの人生を日々生きることができるように助けてください。 アーメン!