ただ神のあわれみによって

「神はモーセに言われた、「わたしは自分のあわれもうとする者をあわれみ、いつくしもうとする者を、いつくしむ」。 ゆえに、それは人間の意志や努力によるのではなく、ただ神のあわれみによるのである。」(ローマ人への手紙‬ ‭9‬:‭15‬-‭16‬)

私たちが神に選ばれ、神に召され、救われることができたのは、ただ神の憐れみによる。

パウロはイスラエルの話をした。「…イスラエルから出た者が全部イスラエルなのではなく、 また、アブラハムの子孫だからといって、その全部が子であるのではない」と言った。イスラエルとはアブラハムの血を引いた人々を指すのではないと述べた。

アブラハムにはイシュマエルとイサクという2人の息子たちがいたが、イシュマエルやその子孫は、神の民でも、イスラエルとはならなかった。

主はアブラハムとサラの間に生まれる子どもがイスラエルであると言われた。100歳のアブラハムと90歳のサラは、子どもが与えられるという神の約束を信じることしか出来なかった。神の約束を信じたアブラハムにイサクという息子が与えられ、「イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれるであろう」と言われた。 

肉の子がそのまま神の子なのではなく、むしろ約束の子が子孫として認められるとは、このことだ。

また、イサクによって受胎したリベカの場合もまた同様だった。まだ子供らが生れもせず、善も悪もしない先に、神の選びの計画が、 わざによらず、召した方によって行われるために、「兄は弟に仕えるであろう」と、彼女に仰せられた。神が「わたしはヤコブを愛しエサウを憎んだ」と言われた言葉が実現するためである。(ローマ人への手紙‬ ‭9‬:‭6‬-‭13)

イシュマエルもイサクも両方ともアブラハムの腰から生まれた実子であったが、アブラハムの信仰によって与えられたイサクの方がイスラエルと認められた。

またエサウもヤコブもイサクの実子であり、二人とも人格に問題を抱えていたが、単純に神の選びによりヤコブがイスラエルとされた。

「神の側に不正がある」わけではない。(‬9:‭14‬)　主なる神はご自身があわれもうとする者をあわれみ、いつくしもうとする者をいつくしむお方である。私たちの出自がどうとか、罪深さがどうとか、人格がどうとか、神に従うかどうか以上に、神の主権によるということだ。罪を生まれ持つ「罪人」である私たちが、ドングリの背比べをしている場合ではない。

私たちが選ばれ、救われ、召されたのは私たちの意志や努力によるのではなく、「ただ神のあわれみ」によったのである。

愛する天のお父様、あなたの愛と恵み、憐れみを感謝します。私たちが選ばれ、救われ、召されたのは、私たちの意志や努力によるのではありません、ただあなたのあわれみによることを感謝します。主イエスキリストの御名によって、アーメン。